公認スポーツ指導者資格
新たな指導者育成事業の展開
平成17年度から新たな指導者育成事業が展開されます。
公益財団法人日本体育協会では、これからの指導者に求められる役割や活動拠点・指導対象・必要なスタッフなどについて、指導者制度検討プロジェクトにおいて検討を加え、平成17年度から新たな公認スポーツ指導者制度を展開されます。
スポーツ指導者のカテゴリーをスポーツ指導基礎資格、競技別指導者資格、フィットネス系資格、メディカル・コンディショニング資格、マネジメント資格の5つに分類し、これらの指導者養成事業を順次実施される予定です。
資格の種類は、次の一覧表のとおりとなっています。
なお、現行資格からの移行、新たな資格取得については、公益財団法人京都府体育協会にお問い合わせください。
(1)スポーツ指導基礎資格
資格 | 役割 | 認定により備えられる知識と能力 |
---|---|---|
スポーツリーダー | ●地域におけるスポーツグループやサークルなどのリーダーとして、基礎的なスポーツ指導や運営にあたる。 |
●スポーツに関する基礎知識 ●ボランティアに関する基礎知識 |
(2)競技別指導者資格
資格 | 役割 | 認定により備えられる知識と能力 |
---|---|---|
指導員 |
●地域スポーツクラブ等において、スポーツに初めて出会う子どもたちや初心者を対象に、競技別の専門知識を活かし、個々人の年齢や性別などの対象に合わせた指導にあたる。 ●特に発育発達期の子どもに対しては、総合的な動きづくりに主眼を置き、遊びの要素を取り入れた指導にあたる。 ●地域スポーツクラブ等が実施するスポーツ教室の指導にあたる。 ●施設開放において利用者の指導支援を行う。 |
●スポーツに関する基礎知識 ●ボランティアに関する基礎知識 ●競技者養成プログラムの理念と方法 ●初心者に対する基礎的指導法 |
上級指導員 |
●地域スポーツクラブ等において、年齢、競技レベルに応じた指導にあたる。 ●事業計画の立案などクラブ内指導者の中心的な役割を担う。 ●地域スポーツクラブ等が実施するスポーツ教室の指導において中心的な役割を担う。 ●広域スポーツセンターや市町村エリアにおいて競技別指導にあたる。 |
●競技者育成プログラムの理念と方法 ●多様な能力やニーズに対する指導法 ●スポーツ教室や各種イベントの企画立案 ●組織の育成に関する知識 |
コーチ |
●地域において、競技者育成のための指導にあたる。 ●広域スポーツセンターや各競技別のトレーニング拠点において、有望な競技者の育成にあたる。 ●広域スポーツセンターが実施する地域スポーツクラブの巡回指導に協力し、より高いレベルの実技指導を行う。 |
●競技者育成プログラムの理念と方法 ●国内大会レベルの競技者に対する高度な指導法 |
上級コーチ |
●ナショナルレベルのトレーニング拠点において、各年代で選抜された競技者の育成強化にあたる。 ●国際大会等の各競技会における監督・コーチとして、競技者が最高の能力を発揮できるよう、強化スタッフとして組織的な指導にあたる。 |
●競技者育成プログラムの理念と方法 ●国際大会レベルの競技者に対する高度な指導法 |
教師 |
●商業スポーツ施設等において、競技別の専門的指導者として、質の高い実技指導を行う。 ●会員(顧客)が満足できるよう、個々人の年齢や性別、技能レベルやニーズなどに合わせたサービスを提供する。 |
●競技者育成プログラムの理念と方法 ●多様な能力やニーズに対応する高度な指導法 ●ホスピタリティに関する知識 ●商業スポーツ施設等の経営に関する基礎知識 |
上級教師 |
●商業スポーツ施設等において、競技別の専門的指導者として質の高い実技指導を行う。 ●会員(顧客)が満足できるよう、個々人の年齢や性別、技能レベルやニーズなどに合わせたサービスを提供する。 ●各種事業に関する計画の立案、指導方針の決定など組織内指導者の中心的役割を担う。 ●地域スポーツ経営のためのコンサルティングならびに経営受託の企画・調整を行う。 |
●競技者育成プログラムの理念と方法 ●多様な能力やニーズに対応する高度な指導法 ●スポーツ教室や各種イベントの企画・立案 ●組織の育成に関する知識 ●商業スポーツ施設等の健全な経営能力 |
(3)フィットネス系資格
資格 | 役割 | 認定により備えられる知識と能力 |
---|---|---|
ジュニアスポーツ指導員 | ●地域スポーツクラブ等において、幼・少年期のこどもたちに遊びを通した身体づくり、動きづくりの指導を行う。 |
●幼・少年期における活動プログラムに関する知識 ●発育・発達過程の心と身体の特徴を踏まえた指導法 |
スポーツプログラマー | ●主として青年期以降のすべての人に対し、地域スポーツクラブなどにおいて、フィットネスの維持や向上のための指導・助言を行う。 |
●フィットネスの維持や向上のための指導能力 ●フィットネスの維持や向上に関するプログラムを企画する能力 ●スポーツ相談に関する能力 ●体力測定に関する能力 |
(4)メディカル・コンディショニング資格
資格 | 役割 | 認定により備えられる知識と能力 |
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スポーツドクター |
●スポーツマンの健康管理、スポーツ障害、スポーツ外傷の診断、治療、予防等にあたる。 ●競技会等における医事運営ならびにチームドクターとしてのサポートにあたる。 ●スポーツ医学の研究、教育、普及活動等をとおして、スポーツ活動を医学的な立場からサポートする。 |
●スポーツ医科学に関する専門的知識 ●アンチドーピングに関する専門的知識 ●運動処方に関する専門的知識 |
アスレティックトレーナー | ●スポーツドクター及びコーチとの厳密な協力のもとに、競技者の健康管理、障害予防、スポーツ外傷・障害の応急処置、アスレティックリハビリテーション及びトレーニング、コンディショニング等にあたる。 |
●機能解剖・運動学的な知識 ●スポーツ外傷の応急処置に関する知識と技能 ●スポーツ障害の予防対策に関する知識と技能 ●競技者のスポーツ現場復帰への援助に関する知識と技能 ●競技者のコンディショニングに関する知識と技能 |
(5)マネジメント資格
資格 | 役割 | 認定により備えられる知識と能力 |
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アシスタントマネジャー | ●地域スポーツクラブにおいて、クラブ員が充実したクラブライフを送ることができるよう、組織経営のための諸活動をサポートする。 |
●スポーツに関する基礎的知識 ●地域スポーツクラブのマネジメントに関する基礎的知識を有し、協働できる能力 |
クラブマネジャー |
●地域スポーツクラブにおいて、クラブ会員が継続的に快適なクラブライフを送ることができるよう健全なクラブ経営を行う。 ●地域スポーツクラブの活動が円滑に行われるために必要な競技別指導者、フィットネス指導者、メディカル・コンディショニング指導者などのスタッフがそれぞれの役割に専念できるような環境を整備する。 |
●スポーツに関する基礎的知識 ●地域スポーツクラブ創設のためのマネジメント能力 ●地域スポーツクラブの健全な経営のためのマネジメント能力 ●事業の計画立案能力、各種資源の調達活用能力、情報収集・分析能力 |
なお、マネジメント資格については、現在、総合型地域スポーツクラブマネージャー養成講習会を文部科学省他関係団体と共催で実施していることから、今後の養成講習会のあり方について、関係団体と十分協議する。
(6)その他
上記の5つの資格・カテゴリーに加えて、以下のような分野についても検討を進めることとしている。
① | 広域スポーツセンター等において、職業として地域スポーツクラブの育成・組織化及びクラブ間の調整などマネジメント業務を行う者の資格についても、本会が養成できるかも含めさらに検討する。 |
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② | スポーツドクターと協働して地域スポーツクラブをはじめとする地域のスポーツ活動の場において、住民の健康管理や生活習慣病の有疾患者(予備軍を含む)に対する運動指導などのサポートを行う新たな資格の創設について検討する。 |
③ | スポーツの振興を多方面からサポートするという観点からスポーツ栄養分野の資格制度及びスポーツローヤー制度等のあり方についても関係団体等と検討・協議する。 |
なお、体力テスト員の任務は、体力テストの正しい実施とその普及・啓発を図ることであることから、本会公認スポーツ指導者制度からは切り離すこととする。また、都道府県体協への体力テスト員の登録管理の委譲など公認体力テスト員規定の改正も併せ行う。